1日1日を大切に

皆さんは医師の帯津良一さんという方をご存知ですか?

帯津医師は、都立駒込病院の外科医として、がんの3大療法と言われる手術、抗がん剤、放射線治療を実践する中で、それだけではがんに対処できないことを痛感し、人間全体を診るホリスティック医療の実現を目指す病院を設立した、がん治療のパイオニアと言われている方です。
帯津さんの本を読み、以前からお会いしてみたいと思っていたのですが、先日、その夢が叶い、直接、お話を聴いてきました。

講演の中で、先生は「がんになった多くの人が死の不安を感じるが、不安の軽減に役立つのは、自分よりも死が間近に迫っている方が生きているということだ。そして、そのような心境の患者さんを看護するには、その方よりも死に近い存在になるために『今日が最後の日と思って、日々を生きること』だ」と言われていました。

確かに、命が今日限りと言う気持ちになれば、がん患者さんの持つ不安な心に寄り添うことが、できるかもしれません。
毎日、晩酌をしている先生は、これが最後のお酒と思うと、最後の一滴まで、慈しむようにお酒を堪能できると、おっしゃっていました。まさに最後の晩餐の心境でしょうか?

講演を聞いている内に、6/24(金)北海道新聞朝刊のいずみ欄に掲載された「娘の爪切り」と言う投稿記事を思い出しました。

現在30歳で、保育士と幼稚園教諭の資格取得を目指していると言う酒井さんは、今、2歳になる娘さんが4ヶ月のとき、ご主人が急性くも膜下出血で倒れ、帰らぬ人となったなったそうです。
子煩悩だったご主人は、積極的に育児に参加し、中でも娘さんの爪切りが得意技で、酒井さんはいつも任せていたので、「夫がいなくなり、最初は戸惑ってしまったけれど、今では爪切りが自分の特技になった」と文章を結んでいました。

娘さんを養育できるようにと資格取得に励んでいる姿に「偉いなあ、頑張っているなあ」と頭が下がると同時に、命というのはいつまで続くか分からないものだと言う現実に、気づかされました。

そして、限りある命、いつ幕が降りるか分からない命だからこそ、毎日を自分らしく、悔いのないように過ごして行きたいと、改めて思いました。そんな風に過ごすことで、今以上に充実した毎日が送れそうな気がしています。

洞爺湖の朝日です。日の出の時間は4時半過ぎ、少し眠たかったのですが、とても幻想的でした。
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1日1日を大切に への4件のコメント

  1. メルモ より:

    私も同感です。
    というか、常々そう思って一日一日を大切に生きたいって思います。
    ある整骨院に行った時、「朝」という感じは十月十日と書く。子供をお腹に宿して生まれるまでの日月のこと。だから、毎日生まれ変わってる自分がい
    る。ってことが書いてあって、私は心カラそうだなぁって思ったんです。嫌なことがあっても、一日が終わると同時にリセットしようって。そしてまた、生まれ変わって新しい自分で新たな気持ちではじめようって。
    当時、いや、今でも仕事してると、色んな事があって、心が折れそうになる事もあるけど、朝という言葉を思い出す事で,乗り越えられてきてる気がします。

    • kyochan より:

      メルモさん、コメントありがとうございます。
      毎日、生まれ変わる、良いですねえ。そんな風に過ごしていらっしゃるなんて、素敵です。

      では、今日も新しく素敵な1日でありますように。

      • メルモ より:

        ありがとうございます。
        五年前に私は大切な人を二人亡くしました。
        一人は高校の時からの親友、もう一人は姪っ子。
        その時、何故?って気持ちばかり募り素直に受け止めることもできず、夕飯食べながら急に涙したり、精神的に不安定な日々を過ごしていました。
        そんな時、お寺のお坊さんのお話で、人には必ず早かれ遅かれ、死が訪れる。若いから長く生きれるとも限らない。だから、一日一日を大切に生きなさいというようなことを言われました。
        私はその時ハッとしたんです。友達や姪っ子の分まで、毎日を生きてるって実感の元に過ごせるように、また、私は色んな人の支えがあって生かされてるってことに感謝し、笑顔を絶やさず生きていきたいって思ったんです。

        • kyochan より:

          メルモさん、5年前に悲しい出来事があったんですね。
          お坊さんのお話も良かったのかもしれませんが、その事をきちんと受けとめられたメルモさんも素敵だなあと思いました。

          私の夫も小学校時代からの友人を8年程前に、亡くしています。毎年、お墓参りに行きますが、お墓の前に行ってもなかなか実感は湧きません。
          私たちの心の中に、思い出がいっぱい残っているからなのかな?と思います。

          私には言いませんが、夫はきっと、その友人の分まで、しっかり生きて行こうと思っているんだと思います。

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