未来の看護師さん

暦の上では春というのに、まだまだ寒いこの頃。インフルエンザも大流行ですが、皆さんのお宅は大丈夫でしょうか。

私は、先月末から今月半ばまで、訪問看護ステーションの実習で、学生を指導する仕事をしています。学生の様子を確認しに巡回したり、看護計画立案の相談に乗ったりというのが、私の役割です。

学生は学びを深めるために、受け持ち患者さんを持たせていただきますが、ある日の訪問で聞いた話を嬉しそうに報告してくれました。

彼女が受け持ったのは、90歳代の認知症の両親を、娘さんがたった一人で介護しているお宅です。(訪問看護の他、ヘルパーなど他のサービスも利用しています)

その方は「老いて、自分の身の回りのことができなくなって行く親を看るのは、辛く苦しかったけれど、今は状況を受け入れられるようになり、介護を生きがいとしながら暮らしている。両親は戦争を体験し、苦しい時代を生きてきたのだから、晩年は自宅で穏やかな暮らしをさせてあげたいと思っている」と、心のうちを学生に話してくれたそうです。

学生は、まるで我が子を慈しむように介護している、その気持ちに触れ、家族の繋がりの強さに心動かされた様子でした。

訪問看護は、病気を持った方だけでなく、介護者の支えとなるよう、専門的な知識と技術を用いて関わる必要があります。

大変ですが、とてもやりがいがあり、また、いろんな生きざまに触れられる、素晴らしい仕事だと思っています。

学生たちは、日々、膨大な課題(記録)に追われながらも、初めて知る訪問看護という仕事に、目をキラキラさせています。将来、看護師となった自分を重ね合わせているのかもしれません。

健康管理に、十分気をつけていても、いつまでも健康でいられる保証はありません。

そして、心や体が病んだ時には、看護師さんにお世話になることだってあるかもしれません。

そんな時、心優しい看護師さんが、支えてくれたら、どれほど心強いでしょう!

毎日寒い中、時には子供たちより早く出勤するのは大変ですが、学生が、今まで知り得なかった地域で暮らす方の生きざまに触れる体験を通して、素敵な看護師に成長してくれるよう、真剣に取り組んでいけなければと思うこの頃です。

これはロシアのマトルーシカ。この冬、ロシアはどんなに寒いのでしょうか?

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未来の看護師さん への4件のコメント

  1. REIKOです より:

    素敵な内容に感激をしました
    Kさ〜ん、深い愛で研修者を見守っている感じが素敵です
    最近、親近者がガンで亡くなってて。哀しい別れですが、すごく生きる事の深さを知らせてくれている様に思います。
    『質の良い健康』を求める日々ですが、1つに『ほめ日記』もあると思いました

    • kyochan より:

      REIKOさん、コメントありがとうございました。コメントを頂けると、次に書く意欲が出てきます。
      心の健康に『ほめ日記』はとても効果的だと私も思います。一人でも多くの方にほめ日記を知って頂けるように、これからも細く長く活動して行けたらと思っています。

  2. より:

    kyoucyan、今回のブログ拝見し、とても身の引き締まる思いがしました。私は現在訪問看護師として働いています。同じ看護の仕事でも、今は患者様の自宅が仕事場なので、戸惑うことや自分一人で判断しなければならないことが多く、いつも・・もっと知識が・・もっと経験が・・と反省と落ち込みの毎日です。2年前の私なら、きっともうしっぽを巻いて逃げ出していたと思います。「・・やっぱり私には無理だった・・」そして自分を責めて。でも、セパと出会い、ほめ日記をつけワークに参加することで、自分を責めることがなくなってきているのです。そんな気持ちになったとしても、もう一人の自分が「でも、頑張っているよ」とフォローしているのです。私にとってセパのワークは心の滋養強壮剤のような存在です。切れないように・・時には仕事をお休みしても参加しています。利用者様にご迷惑をかけてしまうことがあるかもしれませんが、そこは信頼関係・・ということで。長いコメントになってしまいましたが、これからもワークでパワーをもらって、患者様とそのご家族の気持ちに添った看護を提供していきたいと思います。

    • kyochan より:

      Yさん、嬉しいコメントをありがとうございました。ワークに参加されたことを実践されているからこそ、しっかり自分のものとなっているのでしょうね。
      頭で学ぶだけでなく、それを実行することに大きな意味があるのだと思います。
      一人ではなかなか継続が難しくても、一緒に学ぶ仲間がいることも大きな要因かもしれません.
      そんな場を提供できるように、これからもワークを続けて行けたら良いなあと思っています。

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