朝夕の冷え込みが厳しく、街路樹の紅葉も進んできましたが、いかがお過ごしでしょうか?
ところで、みなさんは定期的に検診を受けていますか?
私は先日、子宮頸がん予防啓発キャンペーンのセミナー&先行試写会に参加し「いのちのコール~ミセスインガを知っています~」という映画を観てきました。映画の前後には、監督の蛯原やすゆきさん、時計台記念病院の藤井美穂医師が、子宮頸がんの現状について話すトークイベントもあり、改めて命あることの喜びと検診を受けることの必要性を実感しているところです。
映画は子宮頸がんにかかった女性を主人公に、患者が受ける肉体的、精神的プレッシャーを描いた作品。「テーマが重いので、真面目な描写だけでなく、クスッと笑える場面も盛り込んだ」と監督さんが話した通り、笑いあり、涙ありの心温まる作品でした。
86分の映画はあっという間に終わり、映画の中に入り込んでしまった?私は、帰りの地下鉄の中でも涙が止まりませんでした。
この映画は2009年に子宮頸がんを発症し、余命半年と宣告された渡邉真弓さんという女性が、「検診の大切さと生きることの素晴らしさを伝えたい」と娘さんに綴った手記がきっかけとなり、映画化されました。残念ながら渡邉さんは映画が完成する前、2012年4月に56歳で亡くなられたそうです。
渡邉さんの想いが書かれた手記の抜粋を見つけたので、掲載しますね。
娘へ
できればあなたの花嫁姿を見て
あなたの子供も抱いてみたかったと思います
ずいぶんと急いでさえくれれば
それも可能かもしれません
私が唯一あなたに残せるものがあるとすれば
それは大好きな私の友人たちです
その友人たちに囲まれて生きている今を
私はこの上なく幸せだと思っています
そしてその人たちは
私がいかにあなたを愛しているかを知ってくれているから
きっと手を差し伸べてくれると思います
だからあなたを残して死ぬことも
あまり怖くないのです
だって私はこの時まで
一生懸命生きてきたもの
あなたに恥じないように あなたに笑われないように・・・・・・・・・・
いかがですか?特に最初の2行は心に響くのではないでしょうか?
私は試写会から帰宅した夜、(泣き顔で)18歳の娘に映画の感想を伝え、20歳を過ぎたら定期的に子宮頸がん検診を受けることをお願いしました。
監督の蛯原さんも映画作りをきっかけに、20代の妹さんに検診を受けるように強く勧めたそうですよ。
子宮頸がんの大部分はHPV(ヒト パピローマウイルス)が原因で性行為により感染します。現在、毎年3000人前後の方がこのがんで亡くなっています。
予防としては、完全ではないもののコンドームの使用はある程度効果的と言われているようです。
また、健康的な生活を送り、免疫力低下を防ぐこと、がんのリスクを高めるタバコをやめることも大切です。
最も効果的な予防方法は定期検診による前がん病変の発見だと言われています。
子宮頸がんは他のがんと違い、検診でがんになる前(前がん病変)に発見でき、その状態であれば、ほぼ100%完治するそうです。
なので、20歳を過ぎたら2年に一度の定期検診を受けましょう!と試写会会場でも何度も繰り返し呼びかけられていました。
私たちは、どこかで、自分は大丈夫、がんにはかからないと思っているのではないでしょうか?
私も根拠なくそう思っている、思いたい自分がいることを否定できません。
でも映画の後、ふと、40代初めにこの世を去った2人の友人を思い出し、人はいつまで生きられるかは分からないこと、そして、今、生きていることが当たり前ではなくとってもありがたいことだと感謝の気持ちが湧いてくるとともに、限りある命を私らしく生きて行きたいなあと強く感じました。
この映画「いのちのコール~ミセスインガを知っていますか~」は10月11日(土)~17日(金)までディノスシネマズ札幌劇場で上映上映されています。
心に響くものがあると思いますので、お時間のある方は是非、ご覧くださいませ。
そして、くれぐれも検診をお忘れなく!(私の住む街では、先日、がん検診の無料クーポンが送られてきましたよ。)