いつの間にか、季節はすっかり冬。日ごとに寒さが厳しくなる季節ですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
私は、7月中旬から児童会館で働き始め、気がつくと4ヶ月も過ぎたことに月日の早さを実感するこの頃です。今は12月に開催される会館の冬祭りに向けて、少しづつ準備を進めているところです。行事の準備は大変ですが、子どもたちが楽しんでくれるのを励みに、作業に取り組んでいます。
児童会館では毎月1回、職員が順番で絵本の読み聞かせをする「お話の会」が開催されています。
先日、私も担当することになり、自宅にある好きな絵本を選び、読み聞かせの練習をしていたのですが、その時に嬉しいビックリ!がありました。
練習中に、たまたまリビングに入ってきて、ウロウロしていた高1の息子Rが、私が絵本を読み終えると「それ読んでいい?その本、好きだったんだよね。」と話しかけてきました。そして本を手渡すと、懐かしそうにその絵本のページをめくり始めたのです。その光景を見ながら、私はとっても心が温かくなるのを感じ、何も言えず、ただただ息子を眺めていました。
その絵本は『かっくん どうして ぼくだけ しかくいの?』という講談社の翻訳絵本(クリスチャン・メイベイユ文、ジョス・ゴフィン絵、乙武洋匡訳)です。
まんまる家族の中で、なぜか四角に生まれたかっくんが、まんまるでないことに悩み、他のまんまるの子どもたちに仲間に入れてもらえず悲しい思いをしていたのですが、あることをきっかけに仲間になれた、というストーリーです。
私が特に好きなのは、最後の一文。
「いろいろ いるよ。まんまる、ふとっちょ、しかくに おちび。みんな みんな ちがうけど、みんなで みんなで あそぼうよ」
金子みすずさんの詩、「わたしと小鳥と鈴と」の中に出てくる「みんなちがってみんないい」のフレーズが思い起こされる一文です。
少し前に「子どもへの読み聞かせボランティア養成講座」を受ける機会があったのですが、その中で講師の方が
「子どもたちの脳は見えないものを見ているので、絵本の読み聞かせは、想像力を育てる。また、読み聞かせは、私たちの愛情を渡していることになる」と話されていたのを、絵本をめくっている息子を見て、思い出しました。
高1の息子の中に、どんなイメージが残っていたのかは分かりませんが、何か心に残るものがあったのでしょう。私が好きだった絵本を、息子も好きだったということも嬉しく、我が子とのつながりを感じました。
娘が4歳の時に双子が生まれ、とても忙しい毎日でしたが、子どもと絵本の時間を作っておいて、本当に良かったです。高校生になり私の身長(165cm)をこえて大きくなった息子ですが、一冊の絵本が小さかった頃を思い起こしてくれて、幸せを感じられた出来事でした。
ところで、新聞にも掲載されていましたが、11月7日、札幌市の白石区複合庁舎の6階に絵本専門図書館がオープンしたのをご存知ですか?館内が全て絵本だなんて、想像するだけでワクワクしてきますね。
お子さん連れの方が多いのでしょうが、私は近いうちに是非、一人ででも訪れたいと思っています。
絵本の魅力を再発見しに、みなさんも一度、出かけてみてはいかがですか?
絵がとってもユニークな絵本です。絵本図書館の中にも置いてあるかしら?