母の一言

今日から3月、暖かな春が待ち遠しいこの頃です。

今日は現在70歳で特別養護老人ホームに入所している母のことを紹介します。

母は56歳の時に脳動脈瘤が見つかり、13時間にも及ぶ大手術を受けました。お陰さまで手術はほぼ成功し、一命は取り留めましたが、その後の老化は加速度的に進み、10年余りの在宅生活の後、施設での生活になりました。歩行は難しく移動は車いす、トイレは介助が必要でおむつをつけ、認知症もあります。

そんな風に老いてゆく母を受け入れるのに時間はかかりましたが、今は母がどんな形であれ、存在してくれていることに感謝しています。

あれは半年程前のことだったと思います。
2ヶ月に一度程度しか会いに行けない私は、「認知症が進み、娘のことを認識できなくなっていたらどうしよう?」と、いつもドキドキ。その日も「誰だか分かるかい?」と恐る恐る声をかけました。

母は、私の方をじっと見つめ、しばし考えてから、明るく大きな声で
「わたしの可愛い娘、きょうこちゃん」と言ったのです。

今、思い出してもウルウルしてしまうくらい、嬉しい一言でした。
もし、母が認知症でなければそんな言葉は聞けなかったかもしれません。
ちょっと照れくさくって言いにくいですよね、アラフォーの娘に可愛いなんて!

でも、言われた私は体全体が暖かく、そして全身で喜びを感じました。

幾つになっても母親にほめられるのは特別嬉しいこと。
自分の子供たちを見ていても、そう思います。

子育てはほめることだけでは難しく、叱ることも必要だと思います。
だからこそ、子供の良さ、素敵さを見つけたら、言葉で伝えることがとても大切なことなのではないでしょうか?

昨日は子供をほめましたか?
今日はどんなことをほめたいですか?

これは私自身に対する問いでもあります。

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娘が産まれた時に、母と一緒に選んで、母に買ってもらったお雛様です。お母さん、ありがとう。

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