K先生との出会いを振り返って

更年期で体調を崩し仕事を辞めてから1年。双子の高校受験などもあり、振り返れば、あっという間でした。

今も漢方薬の力を借りてはいますが、かなり回復してきたのを感じています。夫からも「顔の表情が以前より柔らかくなっているよ」とお墨付き?をもらい、安心しています。K先生と出会ったおかげです。

体調を崩した当初、どこの病院へ行こうか迷っていた時、クリニックで看護師をしている友人から「うちに来てみたら?漢方を処方してくれるよ」と提案されました。家からも割合に近く、薬には頼りたくないものの漢方薬には抵抗感が少なかったので、受診を決めました。

友人の話に聞いた通り、K先生は、気取ったところが全くありませんでした。
初診の時「先生に漢方を処方してもらいたいと思い受診しました」と伝えると、「俺でいいのか~」とK先生は照れ笑い。そうかと思ったら「はい、分かりました。私なりにしっかりやってみます」と急に真顔に。その受け答えのユニークさに、私も笑みがこぼれてしまいました。

漢方薬の処方は何度かの調整が必要で、しっくりくるまでに多少時間がかかりました。その時、K先生は「最初からピタッと決められずにごめんなさいねえ」とお詫びの言葉を口にしたのです。その正直さというか謙虚な姿勢に、私は「こんな風に患者に謝る医師がいるんだなあ」と本当にびっくりでした。

また、友人の情報通り、超話好きなK先生。診察には関係ないと思われるような学生時代の思い出や、親として子供とどう関わったかなどの話を語りだすと、なかなか止まらないことが度々ありました。机の上に積み重ねられたカルテが気になって、私が椅子から立ち上がったのにも関わらず、まだ話し続けていたことも!

そんな人間味あふれるK先生のことが、私は大好きでした。医者と患者の関係であることは確かなのですが、それを超えて、一人の人間として受け入れられているという安心感を与えてくれる先生でした。開院して34年、そんな先生を慕ってか、3世代にわたってかかっている患者さんもいたそうです。

なので、この4月、院長を退き、息子さんに代替わりすると聞いた時には、寂しく感じました。何かの拍子でお会いできることはあるかも?(先生は医院の上に住んでいらしたので)という淡い期待を抱いていましたが、それも叶わなくなってしまいました。4月の下旬、突然、天国に旅立たれてしまったのです。享年73歳。

訃報を聞いた時、あまりに突然のことで信じられませんでしたが、家に帰り、「K先生ともう会えない」と思うと涙が止まらなくなりました。

先日、久しぶりに会ったTちゃんに、K先生の話をしたら「そんな素敵な先生と出会えてよかったね。その出会いは財産だねえ」と言われました。その言葉で私はハッとしました。先生に会えない寂しさはあるけれど、先生と出会えてラッキーだったと思うことで、心の中の悲しみの雨が止み、晴れ上がっていくような気がしました。

K先生と診察室で話した思い出は、いつまでも私の中で生き続けています。また、医療に携わる者(私は保健師です)として、患者に寄り添うとはどういうことかを、実践を通して教えて頂けました。

K先生とのお別れを経験した今、私も人の心に良い思い出として残るような生き方をしたいと感じています。

友人には、「きょうちゃんと知り合えて楽しかった♡」
子供たちには、「お母さんの子供で良かった♡」
夫には、「あなたと夫婦で面白かった♡」

そんな風に思ってもらえるような関係性を築きながら、過ごしていけたら幸せです♡

気候も良くなり、近くの山へ登る機会が増えました。山道を歩くと心も体もリフレッシュされます。自然の力に感謝です。
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