母を亡くした悲しみを抱えながら

あっという間に季節は秋。朝夕が肌寒く感じるこの頃です。みなさん、いかがお過ごしでしたか?

私は、6月下旬に母を亡くし、8月10日が四十九日の法要、翌週すぐに新盆の供養を終え、その後は脱力気味の毎日でした。
ただ、夏休みに大学生の娘が帰省し、話を聞いてくれたり、いろいろと助けてくれたので、母を亡くした悲しみも少し薄らいでいた気がします。

その娘も8月下旬に京都に戻り、寂しさが募りましたが、いつまでもメソメソしてはいけないと、9月からは心機一転、元気に過ごそうと心に決め、頑張ってみました。その後、1週間くらいは自分でも驚くほど、元気に忙しく動き回ることができましたが、そう長くは続きませんでした。

ある夜、「どう向き合う、愛する人の死」というテーマのテレビ番組の中で、悲しみにくれる遺族の姿が映し出された時、自分の中にある悲しみが湧き上がってきて、久しぶりに泣いてしまいました。そして、本当はまだ辛いのに、無理に悲しみの感情に蓋をし、見ないようにしていた自分に気がついたのです。

心の中にある悲しみの大きさに気がついた私は、虚無感におそわれ、力が入らなくなりました。朝早く起きて、高校生の息子のお弁当を作るのは、本当にしんどかったし、他の家事をするのもいつもよりずっと時間がかかってしまいました。そんな自分が情けなくて、更にへこんで動けなくなってしまいそうになった時、私は友人にメールして助けを求めました。(残念ながら頼れる夫は長期出張中ですので)

今年1月にお母様を亡くされたYちゃんが、すぐに心温まるメールを返してくれました。
詩的で素敵な文章なので、一部を紹介しますね。

 『大切な人を想い、めそめそしたって、がっかりしたっていいじゃない
  自分にかけてくれた愛情の深さに、想いふけったっていいじゃない
  まだまだお母さんの子供でいたいと思っても、いいじゃない
  その感情も素敵だと思うの

  大好きな人を見送る深さの重み、いっぱい いっぱい感じて、ゆっくり ゆっくり あるく
  そのちょっといい時間を、お母さんからのご褒美だと思いたい
  ゆっくり ゆっくり やすもう』

そして、最後に『今のきょうちゃんも私は大好き』というメッセージを書き添えてくれていました。

別れの寂しさを引きずっている自分が辛くて苦しかったのですが、その状態を肯定してもらえたことでほっとできましたし、そんな今の私も大好き!と伝えてくれたことが嬉しくて、縮こまっていた心が少し大きくなった感じがしました。同じ悲しみを経験したYちゃんからの言葉なので、なおさら、心に響きました。

15年以上前からの友人Sちゃんは、電話でじっくり話を聴いてくれました。その日の夕方、どうしても顔を見たくてSちゃんに会いに行った時には、優しくハグして、背中をさすってくれながら「そんなに焦らなくていいから。大丈夫だよ、そのうち元気になれるから」と言ってくれました。
うーん、涙が出そうになるくらいに、その暖かさが心地良かったです♡

そんな友人たちの暖かな励ましで、私は深い悲しみの底に沈み込むことなく、少し元気を取り戻し、再び、動き出せるようになりました。

母のことで体調を崩した時に診療を受けた鍼の先生には、
「今回の経験は、きっとこれから役に立つことがあるはずですよ」と言われました。

どんな風に役に立つかはわかりませんが、肉親を亡くすことが、想像していた以上に辛く、悲しみが癒えるのはそう簡単ではないことと、悲しみの中にいる時に、優しい励ましがどれだけ力になるかを実感できたのは確かです。
ですから、今回、友人が支えてくれたように、今度は私が誰かの力になれるような自分になりたい、と強く思っています。

悲しみを呼び起こされたテレビ番組でしたが、悲しみから立ち直り、元気に過ごしている遺族の姿も紹介されていました。その時は、悲しみが大きくて、その姿に自分を重ねることはできませんでしたが、少し元気を取り戻した今、明るく元気な自分をイメージすることができるようになりました。焦らず、ゆっくり、前を向いて、希望を持って歩いていこうと思います。

これはカレンダーに書かれているメッセージです。時々、声に出して読みながら、こうなれる日が来ることを願っています♡
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